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息子のその後

(ⅰ)出来事がおきてしばらくの間

息子と二人で外にスーパーに買い物に出かけようとした時のことです。息子が「●●(保育ママの名字)ママ、行かない?スーパー行くの?」と私に聞いてきたのです。直ぐに「行かないよ。スーパーに買い物に行くよ。」と言いました。安心した顔で私についてきました。

また、出来事が起きて一週間が過ぎた頃、妻が息子と一緒に車で外に出て、以前保育ママの家の方へ送り向かえするルートと同じルートを走っていた時、また保育ママのところへ連れていかれると思ったのか、息子が「●●(保育ママの名字)ママ、怖い。★★(息子の名前)もう行かない。」「●●ママ、黙れーー、言ったね。」と。

しばらくは妻が息子と外に出かける時、息子が不安を感じ、思い出して、保育ママのところへ連れていかれないことを確認してから出かけるのがパターンとなっていました。また、妻とは息子の前では保育ママの名前は出さないように話し合っていました。

今回のことは息子の心の中では、解決出来ない出来事として未だに残っているのではないか?どうして怒られたか分からない。強いショックだけが残っているのではないか。そう考えたものでした。

(ⅱ)現在

現在は、これまで通りの生活に戻っています。また、保育ママのことは思い出す様子もなく、一切言葉に出さなくなっています。ただ、息子の心の片隅に残っているのか、無くなってしまったのか、実際はっきりとはわかりません。

これからの息子に対して(父より)

今回の出来事から、父親として、息子の心の傷を癒す何が出来たのかと今でも考えます。

その当時、時間が解決してくれるものであろうか、忘れさせてくれるものなのかと、安易に考えなくもなかったです。

子育ては初めてです。特に最近、数日出張で家を空けたりすると、言葉使い、話し方の変化など、明らかに息子が成長しているのがわかります。日々の接し方が大切なんだ、大切にしないといけないと感じる時です。
私自身、息子に対して厳しいしつけを行ってきたとは言えません。もっと父親らしく厳しく接していくべきと感じています。息子に、やっていいこと、悪いことを教えていきたいと思っています。
ただ息子は優しい子だと心から感じています。良いこと、悪いことがしっかりわかり、このまま、のびのびと育っていくことを心から望んでいます。

そして、息子にとって本当の意味での父親にならなければと思っています。そのためにも、息子のことをしっかりと見つめて行きたいと思っています。

この出来事をとおして(母より)

息子が保育ママに暴力を受けたあの日から、1年が経過しました。
当時は、事実を全く認めない保育ママにも、市役所の応対にもやりきれない思いでしたが、1年経った今、こういう形でこの出来事を公表する目的のひとつは、保育ママ制度の利用を検討している方々に、私が今回経験したことを正確にお伝えすることで、仕事のために子供を預ける必要がある場合、その選択に役立てて頂きたいということです。息子を深く傷つけて、そのことを反省し、ここに当時家庭福祉員制度を利用するに至った経緯を含めてお伝えしようと思います。

保育契約をむすぶ前に保育ママと一度面談をしましたが、その時不安に感じる事がいくつかありました。そのひとつに、その方は保育ママとして0歳児と1歳児を預かった経験はあるけれど、2歳児を今までに預かったことはないと話されたことです。とてもおとなしい性格の息子ですが、それでもやはり2歳児です。普段、2歳児の相手に慣れていない方で大丈夫かなと思いましたが、保育士や幼稚園の教諭の資格をお持ちの方だし、お話を聞いているうちにお願いしてみようかと思いました。

それに市役所が紹介している保育ママさんだという安心感も多少あったと今、思っています。
ただ、それは全く私の認識不足でした。市の保育課に保育ママを紹介して頂き、そして、その保育ママと結ぶ保育委託契約書は市がひな型を作成しており、その書類で交わしました。が実際、今回の問題が起きると、あくまで個人同士の契約だから、市は何も関係ないという立場を取り、3者で話し合いをするための面談を市が調整するのも、あくまでこちらは善意でやっているにすぎないと強調されました。市が紹介していても、なんら責任を負わなくていい立場をとりながら運営されているにすぎない。何ひとつ信用に値しないのだということを痛感しました。
さらに、この出来事がおこった後、自宅に帰り私の浅はかさを反省しました。それは、保育ママさんは、市の保育課が広報で募集をし、面接をして、採用した人を保育ママとして認定して、保育課が出すパンフレットで一般に公開しているにも拘わらず、担当課の保育課長自らが、「何でこんな気の強い人とあなたは契約したんですか?」というような言い方をされ、私は愕然としました。


私は子育てに関わる仕事をしています。学生時代は臨床心理学を専攻し、主にカウンセリングについて実習を含め学びました。卒業後は、主に乳幼児の心理臨床に関わりを持っています。
息子は、あの当時ひどくおびえ、保育ママの家へ向かう道を通ると、顔をゆがめ、か細い声で私にどこに向かっているか聞いてきました。
子供を預けるときに、泣かれたり、嫌がられた経験はたくさんの方があると思います。私もそれまで何度もありましたが、そういった時とあきらかに様子が違うのです。
それまで見せたことのない、なんともいえない寂しい表情を浮かべ、懇願するのです。息子は暴力を受けるという経験で、新しい表情を身につけてしまい、当時とても辛かったです。

また、この出来事を公表する目的のもうひとつは、事実をありのまま記録しておくことで、将来息子にも正確に伝えることが出来ると思ったからです。
私達は、今回のことを将来息子にありのまま話すつもりです。それは、理不尽な暴力を受け、それを受け入れてしまうと、同じように弱い者に暴力を振るうようになる可能性があると思うからです。人がいじめを受けた場合、その後の人生の長い間、影響を受けます。人を信じることが出来ず、よい人間関係を築く妨げになる場合があります。弱い立場にある子供に平気で暴力を振るう人は、不幸なことに過去に同じような暴力を受け、それを受け入れて生きてきた人が多いというのも、また事実です。不幸の連鎖ですね。でも、息子は、幼いときに不幸にも大人から理不尽な暴力を受けたけど、それに屈服することなく立ち向かい、保育ママに謝罪を求めたことも含め、ありのまま伝えたいと考えています。
今年の夏休みの我が子の目標のひとつに、相手の顔を見て、「ありがとう」「ごめんなさい」を言うことがあります。悪いことをしたら謝る・・・保育ママにその当たり前のことをお願いしただけなのです。
一言、ごめんなさいと言って頂ければすんだことでした。それ以前に、先方の保育ママが事実を認めれば、あとは市役所にお任せするだけのことだったのです。

当たり前のことですが、次のメッセージをお伝えしたいです。
「弱い立場の相手を人が見ていないところで、いじめるのは卑怯なこと」
「いじめられて、それを受け入れてはいけない」
「いじめても、いじめられてもいけない」

いじめはいけないことと教えている大人が、いじめを作り出す社会を作っています。そして、市の保育課という子供と関わっている場でも、それを放置しています。これは明らかにおかしいです。刑事裁判の原則、「疑わしきは罰せず」に則って、子供と関わっていくのであれば、一生いじめはなくならないのではないでしょうか?

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Contents

家庭福祉員(保育ママ)

東京都と市の補助対象基準を満たし、市が利用契約を結んでいる施設。保育士等の資格を持ち、保育経験を有する方が自宅で最高3人までお預かりする制度。
-保育方針等- 保育ママの自宅で、少人数の乳幼児をお母さんやおばあちゃんが保育するように、アットホームで楽しくやさしい雰囲気の中すみずみまで目の行き届いた保育をしています。(「平成23年度 保育所案内 作成:小金井市子ども家庭部保育課」より引用。
URL:http://www.city.koganei.lg.jp/kakuka/kodomokateibu/hoikuka/info/K.files/H23.623.pdf

ご利用下さい 
<家庭福祉員(保育ママ)>

市報 こがねい 2011.0301
URL:http://www.city.koganei.lg.jp/news/shihou_koganei/pdf/20110301/20110301_050.pdf

家庭福祉員(保育ママ)について

東京都福祉保健局のホームページURL:
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kodomo/hoiku/h_mama/index.html